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ブルグミュラーの魅力(25)天使の声

21. 天使の声[天使の合唱](Harmonie des anges)ト長調 4分の4拍子  Allegro moderato(♩=152) 両手にまたがり連続するアルペジョの練習曲です。ウィーン原典版では1拍ごとに区切った短いスラーが記されていますが、全音楽譜版ではペータース版に従い1小節にわたる長いスラーが用いられており、そちらの方が波のようなフレーズ感を表現するのには適していると思われます。しかしその場合でもブルグミュラーの指示に意図される各拍頭の音による旋律線を意識して弾くと良いでしょう。 第30小節目3拍目のバスはウィーン原典版ではE音ですが、ペータース版ではEs音に変更されています。これはミスプリントではなくて、これにより次の拍のD音に半音下降で解決することになるため、より進行が滑らかになるので、あえて書き加えられたのではないかと私には感じられます。 ブルグミュラーの書き間違えという可能性も否定できないので、どちらを選ぶかは演奏者の好みに任されて良いと思います。
by boscopiano | 2017-10-01 09:49