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ブルグミュラーの魅力(3)

1.素直な心(La candeur)ハ長調 4分の4拍子 Allegro Moderato (♩=152)  練習曲としてのねらいは5度のポジションの確立と指の独立でしょう。 楽譜はブルグミュラーオリジナルの初版と、のちのペータースによる校訂版のどちらかが元になっており、それぞれスラーの掛かり方が異なっています。この曲の場合冒頭にdolceと記された8小節を、校訂版に示されたようにレガートのワンフレーズを意識して弾くことにより、流れるような優しい音楽が生み出されるでしょう。 初版に指定された♩=152は初心者にはかなり困難なので、多少テンポを落としても細やかに強弱の変化をつけた粒ぞろいの良いタッチで弾かれるべきでしょう。  中間部の2+2+4小節フレーズによる盛り上がりとその後に現れるpoco riten.、そして最後に再び現れるpoco riten.にロマン派らしさが感じられるので、心を込めて丁寧に表現しましょう。 次の「アラベスク」はイ短調になっていますが、練習曲集をまとめるとき1曲目にハ長調、続く2曲目にイ短調を配置する方法は、ショパンのエチュードOp.10を筆頭に多くの練習曲集で踏襲されており、ブルグミュラーも当然意識していたのでしょう。
by boscopiano | 2017-04-09 08:56