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ブルグミュラーの魅力(15)せきれい

11. せきれい(La bergeronnette)ハ長調 4分の2拍子 Allegretto(♩=132) 曲名の鶺鴒は、雀くらいの大きさで長い尾を上下に振りながら水辺を歩く姿が可愛らしい小鳥です。 冒頭6小節の序奏は空から舞い降り、尾をフリフリ歩く姿を模倣しているようです。 曲のモチーフである16分音符と8分音符のリズムは「チチチン」と聞こえる囀りを表していますが、全曲を通して分散和音のポジション移動と同音連打が繰り返され、練習曲としても効果的な小品です。 同音連打の部分の運指をみると、全音楽譜版などでは1音ずつの指変えで書かれていますが、ウィーン原典版によるとブルグミュラー自身は同じ指で弾くように指定しています。これは連打の運指をテンポや曲想によって両方使い分けられるようにするためであり、この曲集に対するブルグミュラーの細心の配慮が伺えます。 
by boscopiano | 2017-05-28 22:05